シャー皇女役でオスマン帝国外伝に出演しているデニス・チャクルは、カフェにいたスカーフを頭に巻いた女性を侮辱したとして訴えられました。
デニス・チャクルの言い分
デニス・チャクルはカフェで、敬虔なイスラム教徒の女性が頭にスカーフを巻いているのを見て、「公共の場で宗教をことさら強調するような恰好をするべきではない」と、その女性に意見したと言います。
言われた方の女性はデニスを「公共の場で侮辱された」として裁判所に訴えました。
実はデニスが言った「公共の場では~」という言葉は国父アタチュルクの言葉で、建国以来の国是でした。
そのためデニスはその言葉は私が言った言葉ではなくアタチュルクがいっているのだと言い、「ここはサウジアラビアではない」と、無罪を主張しています。
イスラム教徒が多い国なのにスカーフをまかなくていいトルコ
一般的にイスラム教の国では、女性は露出を控えた服装で髪にスカーフを巻いていることが多いですが、トルコではそうではありません。
イスラム教徒が多い国ですが、建国の父であるアタチュルクの方針で、女性は髪をスカーフで隠す必要はないとされています。もちろん、モスクでは隠す必要がありますが、それ以外の場所ではむしろスカーフはつけないほうがいいと言うことになりました。
ですから、トルコではミニスカートを着ることも、水着を着ることも禁止されていません。
エルドアン大統領下で保守化が進むトルコ
世俗派として認知されているトルコですが、エルドアン大統領はこれを変えようとしているようで、イスラム教的な道徳を国の指針とするよう、特に教育現場に指示しているようです。
今年大阪で行われたG20で来日したエルドラン大統領は女子大学を視察し、「我が国にも女子大学を作るべきだと」絶賛したそうです。
つまり、エルドランは男女は分けて教育するべきだと考えていて、(実際には日本では男女共学の大学が多いのですがその辺は無視しているようで)ことさら「女子大」をアゲてそういう方向にもっていきたいと思っているようです。
エルドアンに反抗しているセレブ達
昨年の選挙でエルドアン率いる与党は大敗し、イスタンブールなどの都市部では野党の候補が勝っていましたが、与党はこれを認めず、今年やり直し選挙が行われました。
その時、多くの著名人がエルドアンを非難し、SNSなどで発信して野党を応援した結果、またも野党候補が勝利を収めました。
その時、オスマン帝国外伝に出演した俳優さんたちもその活動に参加しています。
メフメト・ギュンシュース(ムスタファ皇子役)イスタンブールの選挙に言及 - オットマニアな主婦のブログ
オスマン帝国外伝シーズン3のキャスト スレイマンの姉妹たち - オットマニアな主婦のブログ
このような流れがあって、デニスはこういう発言をしたのではないかと思われます。(それにしても面と向かって言わなくてもいい気がしますが・・・)
面と向かって言ってしまったことはあまりお行儀がいいとは言えませんが、訴えられるほどの事でもない気がします。
もし、これが通ってしまうのなら、それだけトルコが保守化していると言うことになり、今までのような「ゆる~い」世俗的なトルコではなくなってきているのかもしれません。
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