ドラマの中で、狂おしいまでの愛で結びついているイブラヒムとハティジェ・・・。
しかし実は近年の研究でハティジェの夫はイブラヒムではないという説が有力となっています。
長く信じられていたハティジェ・スルタンとイブラヒム・パシャの婚姻
つい先ごろまでイブラヒム・パシャはスレイマンの妹であるハティジェ・スルタンと結婚し、「ダマト」(婿)になったと思われていました。
しかし、近年の研究ではこれは誤りではないかと考えられています。
歴史研究家のエブル・トゥランの調査によると、二人の婚姻を裏付けるものはなく、むしろしていなかったと考えた方が自然だという結果が発表されています。
ハティジェの夫はチョバン?
エブル・トゥランの説ではハティジェは初婚の相手カプダン・イスケンデル・パシャとは早くに死別し、その後チョバン・ムスタファ・パシャと再婚したとあります。
ドラマでも登場している宰相チョバンです。
イブラヒムの妻はムシーン・ハトゥンという女性だと言うことですが、この女性がどういう立場の人かは分かりません。
処刑されたイブラヒムの子供たち
ドラマの中ではイブラヒムの死後も生き続けているイブラヒムの子供たちですが、史実ではスレイマンの命で全員処刑されたようです。
この時代は「反逆罪」に問われたものは、禍根を残さないために一族郎党処刑されるのが常でした。
ハティジェとイブラヒムが結婚していたと信じられていたころは、ハティジェは子供たちの処刑に耐えられず、亡くなったとされていました。
しかし、ハティジェの没年ははっきりしていません。
チョバン・ムスタファ・パシャ
チョバンはボスニア・ヘルツェゴヴィナで生まれた説とセルビアで生まれた説があります。子供のころデルシルメで徴用され、教育を受けました。
1511年には宰相に任命され、1522年から1年間エジプトの軍政官を務めています。
1529年ウィーン包囲に向かう途中で亡くなりました。
亡くなる直前にはブルガリアで現在も残っている石橋「ムスタファ・パシャ・ブリッジ」という橋の建築を指揮したといわれています。
チョバンの墓はイズミル湾に面するコジャリエにあります。
オスマン帝国外伝のチョバン
チョバンは宰相として登場していますが、それほど目立った存在ではなく、史実よりも長生きしています。
演じているのはムラト・シャハーンです。
ムラト・シャハーン
ムラト・シャハーンは1987年アンカラ生まれ。MüjdatGezen Art Centeで演技を学び、このオスマン帝国外伝がメジャーデビュー作品です。
その後は「Familya(2016)」、「Çukur(2017)」というドラマに出演し、「HepYek 2(2017)」という映画にも出演しています。
いかがでしたか?オスマン帝国外伝ではイブラヒムへの愛のために身を滅ぼしてしまうハティジェですが、実際はイブラヒムと結婚すらしていないという説が有力となっています。しかし、長い間二人の結婚が信じられていたということは、もしかしたらまた二人の結婚を裏付ける証拠が出てくる可能性もあります。
ドラマで繰り広げられる二人の愛が「真実」ならいいのになあと思ってしまいますね。