オットマニアな主婦のブログ

オスマン帝国外伝にどハマリしたオットマニアな主婦の独り言です。(注意:ネタバレありですので、本編を観てから読んでください)

オスマン帝国外伝シーズン4で気になったもの 伝説の戦士 ザール

不気味な雰囲気を醸し出しているザール・マフムードは、焼けた鉄の棒を握ってリュステムに忠誠を誓いました。

ザールというのはドラマでも説明がありましたが、ペルシャの詩人フェルドウスィーが編纂した叙事詩「シャーナーメ」に出てくる伝説の戦士の名前です。シャーナーメはトルコの文学にも多大な影響を与えている有名な詩ですので、当時の人にはなじみのある名前だったようです。

 

伝説の戦士ザール

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ザールは生まれたときから体毛が白く、その容貌を恥じた父親の武将サームにエルブルズ山に捨てられ、それを憐れんだ霊鳥シィ―モルグに育てられます。

 エルブルズ山は現在のロシアにある、コーカサス山脈の最高峰の山です。

こんなところに赤ん坊を捨てたら普通生きていけないでしょうね・・・。シィ―モルグがいなかったら普通に死んでいたでしょう。(まあ、伝説ですが)

 

 

 

ザールの父親が息子を捨てたことを後悔していると知ったシィ―モルグは、立派な青年に成長したザールに自分の羽をお守りとして授け、父親の元に送り届けます。再会を喜んだ父は、今後はザールのどんな望みもかなえると約束します。

人間の世界に戻ったザールは、蛇王の娘ルーダーベに恋をしますが、蛇王の娘と言うことで周囲に反対され、数々の無理難題を押し付けられますが、持ち前の知恵と武芸でそれを次々突破し、最後に自分の父親が「どんな望みもかなえる」と約束したこと、宣託で二人の間にできる子供が英雄になると告げられたことでルーダベとの結婚が許され、父親から領地を譲り受けるのです。

ドラマに登場したザール・マフムードは、この「武芸に秀でた」英雄の名前にちなんでそう呼ばれているという設定になっていました。

 

史実のザール・マフムード

リュステムが自分の腹心として呼び寄せたザール・マフムードは、実在の人物です。

史実のザール・マフムードはリュステムと同じボスニア出身の政治家で、史実では「死刑執行人」として名を残しています。そのあたりの経緯はよくわかりませんが、ボスニア出身ということと、「死刑執行人」ということでドラマではリュステムの腹心と言う設定になったのかもしれません。

その後のザール・マフムードは、1566年にアナトリアの軍政官となり、なんとセリム2世とヌルバーヌの娘シャー皇女を妻に迎え、1580年妻と同じ日に亡くなっています。

死後はミマーシナンが手掛けた「ザール・マフムード・パシャ・モスク」に妻と共に眠っています。

 

 

ザール・マフムード役はSuat Karausta

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ドラマでは、リュステムの腹心として登場し、リュステムの汚れ仕事を一手に引き受ける強面のザール・マフムードを演じているのはSuat Karaustaです。

Suat Karaustaは1973年8月23日アンカラ生まれ。アンカラ大学国立音楽院で演劇を学び、卒業後はトラブゾン州立劇場の舞台に立ちました。現在はアンカラ州立劇場に所属しています。

 

最新作はKalbimdeki Deniz で、オルハンと言う役。

 

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いかがでしたか?ザール・マフムードは実在の人物で、しかもセリム2世とヌルバーヌの娘婿だったんですね。ドラマの中ではそういう話はなさそうですが、リュステムの右腕としてムスタファ皇子を攻撃する役と言うことで、あのような不気味な男になっているのでしょう。

彼の登場で、今後ムスタファ皇子への攻撃も激しくなっていくかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

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