オットマニアな主婦のブログ

オスマン帝国外伝にどハマリしたオットマニアな主婦の独り言です。(注意:ネタバレありですので、本編を観てから読んでください)

酷評!?「アジズのジレンマ」について

Netflixで配信されている「アジズのジレンマ」は、その内容が物議を醸していますが、監督を務めたタイラン兄弟の発言が報道されていました。

 

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観客の反応は気にしない

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オスマン帝国外伝」でメガホンを取り、世界中に「オスマン旋風」を巻き起こしたタイラン兄弟は、「アジズのジレンマ」に対する視聴者の反応があまり好意的ではないことについて、「私たちは観客の反応は気にしていない」といい、今回は物語の進行を「見慣れた3段階構成」にしなかったのだと語り、ある種のシットコム・コメディであるというのです。

どうも、この映画はアジズの目を通して他の登場人物を描いたものだということのようです。

たとえばアジズに仕事を依頼しに来た夫妻(ハリット&ベルギュザール)は、夫婦げんかを娘が動画配信してバズったことで金に目がくらんで、もっと注目される動画を作るために動画クリエーターのアジズにもっと衝撃的な動画を捏造したいと持ち掛けます。

アジズの上司は人前で喧嘩を始めた夫婦の動画を娘に隠し撮りするように指示しますが、娘の様子から娘は本当は両親のケンカを悲しんでいることが分かります。おそらくは二人に喧嘩をやめて欲しくて動画をアップしたのでしょう。

 

この映画の「主人公」はアジズの目を通して描かれる人々の方だったようです。

なかなか難しいですね・・・一回観ただけではその辺は分かりませんでした。

実際、あまりにも実験的過ぎたので、物議を醸してしまいました。

「現在トルコの映画では昔ながらの陳腐な物語を作りたがる人はあまりいません」とのことですが、トルコの映画界ではこういう動きがあるのでしょうか?

 

ハルク・ビルギナー

この記事の筆者は、ハルク・ビルギナーについて「エミー賞を取った」ことでオファーも増えてそのせいで視聴者がハルク・ビルギナーに飽きているので、今やハルク・ビルギナーが出演者にあると観るの控えるとまで言っています。さらに何でもかんでも受けてしまうハルク・ビルギナーに対して「もっと若い人に役を譲れ」と・・・なんとも手厳しい(汗)

私はハルク・ビルギナーが演じたこのエルビルの話はちょっと面白かったんですけどね。

サイコパス」な少年キャラクター

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この映画で話題をかっさらっていったのは「サイコパス」な少年ジャネルを演じたギュクトゥ・イルディリム君の怪演ですが、こちらも動画ばかり見て人格が狂ってしまった少年の話です。

やたらと攻撃的で両親も手を焼く少年ジャネルを診察した精神科医(オカン・ヤラブク)が、動画で要らない知識を得てしまったことが人格に影響していると指摘しました。

ジャネルのような例は極端ですが、今の子供たちは大なり小なり動画を毎日見ています。実際子供はすぐに使い方を覚えて勝手に検索するようになり、あまりよろしくない動画にいきわたることもあるでしょう。それがどのくらい人格に影響するかはまだはっきりとは言えませんが。

 

個人的感想

タイラン兄弟のコメントを読んで、この映画は「動画配信」に振り回される人々を滑稽に描いているのだなあと私なりに解釈しました。

アジズ自身も上司に盗撮されて、私生活を動画配信されてしまいますが、他人を勝手に盗撮してアップするのは違法じゃないのかなあ?その辺ちょっと「ん?」って思います。

とはいえ、動画配信で私生活が白日にさらされることもあり得る時代だと思うと、ちょっと背筋が寒くなりました。(余計笑えない)

 

 

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