最近オスマン帝国末期~トルコ共和国建国期辺りを舞台にしたドラマが結構作られているのですが、この「ペラパレスの夜更け」もその時代にタイムスリップするドラマです。
この「ペラパレスの夜更け」以外にもDisneyプラスで、オスマン帝国外伝でバヤジト皇子を演じたアラス・ブルルト・イネムリをメインキャストにしたオリジナル作品も制作するようです。
↓今のところキャストも一人しか上がっていなくてドラマなのかドキュメンタリーなのか不明
他にも、アタテュルクとブルガリアの女性の悲恋を描いた映画も制作されることになっているようです。
まだ詳細は不明なので、記事だけ↓
2023年は共和国建国100周年!
なぜ、こんなにアタテュルク関連の作品が増えているかと言うと、オットマニアが大好きな「オスマン帝国」が革命により滅びて新しく「トルコ共和国」が建国されたのが1923年、つまり来年2023年はトルコ共和国建国100周年に当たるから。
これから来年にかけて建国期を舞台にしたドラマや映画が色々製作されることが予想されます。
影を落とす「世俗主義」と「宗教保守」の対立
アタテュルクは欧米列強を打ち負かしてトルコ領土を守り切った祖国の英雄なのですが、近代化を進めるうえで政教分離を断行し、文字をアラビア文字からラテン文字に置き換えたり、服装なども西洋化を是としたこともあり、一部の層はアタテュルクを英雄視することを苦々しく思っているようで、最近アタテュルクの写真や記念碑などが攻撃を受ける事件も起こっています。
↑学校に飾られていたアタテュルクのポスターが何者かに破られる。
↓アタテュルクの記念碑にロープをかけて傷つけようとした男たちが逮捕される。
こういうニュースだけではただのアホな若者のいたずらにしか思えませんが、こういうニュースも
↑この記事は、政府の宗教部長がアタテュルクが指揮を執った「チャナッカレの勝利」の記念日を祝うツイートでアタテュルクについて言及せず、完全無視だったことについての記事。
宗教保守層はアタテュルクを讃えるのが嫌なよう。
しかしそれを感じ取ってか、ドラマ界隈ではわざわざ少女がアタテュルクを讃えるシーンを後付けでくわえてみたり↓
まあ、これはこれでなんかわざとらしいと思ってしまいますが。
ドラマ界は世俗派が大半なので、ドラマにまで口出ししてくる現政権には辟易しているからこういう形で抗議しているんでしょうね。
今制作中のアタテュルク関連のドラマや映画がどうなるか気になるところですが、外資のNetflixやDisney+でなら比較的自由度が高いでしょうし、私的にはこういう情勢でアタテュルクをどんな風に描くかに注目しています。