ドラマでイブラヒムがヨーロッパから取り寄せたマキャベリの「君主論」・・・
学校の授業で習ったような気はしますが、勉強しない学生時代を送っていたので、あまり内容については記憶がありませんでした。
今回はイブラヒムがなぜ「君主論」を取り寄せたのか気になったので考えてみました。
「君主論」とは?
著者のマキャベリは、メディチ家の(当時の)当主ロレンツィオのために、理想的な君主の在り方についての指南書を書きました。それが「君主論」です。
「君主論」はメディチ家への仕官を希望していたマキャベリが自分を売り込むために書いたものであると言われています。
「悪魔が書いた本」?そこまで忌み嫌われている理由は?
君主論では、歴史上の事例を示して、実際に行われた政策とその結果が書かれています。
そして、その結果として「君主は必ずしも道徳に縛られない」という結論を出しています。
国を統率する上で、「道徳」は必要ないというのですから、教会側は認めるわけにはいかないでしょう。教会の権力の源は「宗教的道徳」ですからね。
法王は「宗教的道徳」によって諸侯を縛っているわけですから、これが一般的になれば誰も法王の言うことを聞かなくなるでしょう。それを恐れた法王庁はこの「君主論」を禁書にして封印したのです。
「禁書」でも読者は多数
教会によって禁書にされた「君主論」ですが、実はひそかに書き写されて、いろいろな人々(主に権力者)に読まれていたようです。
人間「読むな」と言われれば読みたくなってしまうもの。教会が禁書にしたと言うことが、逆に興味を駆り立てられてぜひ読みたいというものが続出してしまったようです。
イブラヒムも、わざわざ取り寄せていますしね。
君主は「愛されるより恐れられる方がいい」
スレイマンがイブラヒムに問うた「愛される方がいいか、恐れられる方がいいか」
という問いにイブラヒムは「両方」と答えましたが、君主論では「恐れられる方が安全だ」とあります。どちらか選ぶならという意味ですが、「恐れ」がなければ軽んじられて最後には取って代わられるというのです。
イブラヒムはなぜ「君主論」を取り寄せたのか
そして、その君主論には「絶対君主のいる国を乗っ取る方法」も書かれています。
イブラヒムはそれを知っていてスレイマンにその本を渡したのでしょうか?(ちゃんと読んでいるようには思えませんが・・・)
これは想像ですが、イブラヒムは「君主論」が、キリスト教世界で禁書になっていることと、タイトルの「君主論」というところに興味を持って取り寄せたのだと思われますが、ちょっと読んでみてあまり気に入らなかったようなので(読んでから「マキャベリは私の事を知らなかったようだ」なんて言っていましたから)全部を読まずにスレイマンに献上したのでしょう。
ちなみに絶対君主の国を乗っ取るには、「君主に取り入って信頼を得て、その後に国を奪って君主の血筋を絶つ」のだそうです。
いかがでしたか?イブラヒムはあまりにもおごり高ぶって墓穴を掘ってしまったようですが、この君主論を、もっと前にちゃんと読んでいればもしかしたら違った最期を迎えたかもしれません。
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