オットマニアな主婦のブログ

オスマン帝国外伝にどハマリしたオットマニアな主婦の独り言です。(注意:ネタバレありですので、本編を観てから読んでください)

ハリット・エルゲンチェ主演のドラマ「BABİL」がプロパガンダ疑惑で放送中止に?

先日トルコのスターテレビで放送を開始したばかりのドラマ「BABİL」が、いきなり放送チャンネルを変更するため放送を中止すると発表されました。

あまりにも突然の発表で、「BABİL」が「FETÖ(Fethullahçı Terör Örgütü トルコ政府はテロ組織と認定している)プロパガンダドラマ」と認定されて、当局が捜査を開始したのではと憶測が飛び、制作会社は火消しに追われています。

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制作会社からの発表

「BABİL」の制作会社Ay Yapımは、放送局と連名で、放送スケジュールの都合で同チャンネルでの放送を中止すると発表し、今後チャンネルを変更して放送する予定であると述べています。

それを知った視聴者が「当局からの圧力」だと噂し、ちょっとした騒ぎになってしまいました。

それを受けて 制作サイドの弁護士は当局の調査が入ったという噂を否定しています。

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FETÖ(Fethullahçı Terör Örgütü)とは?


FETÖは、トルコ政府からイスラム教の説教者であるフェトラ・ギュレンを支持する秘密結社とされ、少なくとも2013年には活動を始めていたといわれています。

2016年トルコ政界の汚職事件に抗議する「ギュレン運動」を発端として起こったクーデター未遂事件により知られるようになったので、トルコ政府は彼らを「テロリスト」と認定しましたが、代表者らはクーデターへの関与を否定し、逮捕を免れるため国外に逃れました。現在ギュレン師はアメリカにいて、トルコ政府は彼の引き渡しをアメリカに求めているといいます。

 

そもそも、このFETÖという名前は、当局がテロリストとして認定したためについた名前で、本人たちが名乗っているわけではありません。(Fethullahçı Terör Örgütü=フェステロ組織)

ギュレン師が実際にクーデターに関与した確かな証拠は今のところ示されていませんので、もしかしたらただの言いがかりかもしれません。

「BABİL」のどこがプロパガンダだと疑われた?

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疑惑を持たれた理由は、主人公の大学教授イルハンが陰謀により罪を着せられ、国外に逃亡する設定が、政府批判から始まった革命未遂事件で関与を疑われて逮捕された多くの公務員たちを連想させるといわれています。(少なくともギュレン運動の支持者たちは、そう考えたようです)

 

「FETÖによるプロパガンダ」はSNSで拡散されている

ドラマについてはプロパガンダというのは言いがかりかもしれませんが、FETÖの支持者による活動はSNSを使って行われています。

先日は地下鉄内で支持者たちが、逮捕されたMelekÇetinkayaというメンバーの釈放を訴える様子がSNSにアップされました。これを当局側は「プロパガンダ」として取り締まっているようです。

 

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憶測を呼ぶ不可解な放送中止 

ネットのコメントを見ると、ドラマの視聴者のエルドアン政権への批判が書かれていて、先日大統領がコメントした「ドラマの若者への悪影響」に触れている人もいました。政府からの圧力でドラマが中止になったのだとしたら、懸念していた事態になったということになります。

制作側は、この噂について「デマ」だと断言していますが、放送再開されなければ疑念は残りますので、一日も早く再開されることを願っています。

 

※どうやらスターテレビ・トルコでの放送は継続されるようで、ひとまず騒動に終止符が打たれた模様です。

現政権が言論統制しているのではと不安を持つ視聴者らが、SNSで拡散したためにニュースになってしまったということなのでしょう。