のちに皇帝に即位するセリム皇子ですが、あまり出来のいい皇子ではなかったようで、史実ではメフメト皇子亡き後ヒュッレムはセリム皇子ではなく年下のバヤジット皇子を後継にと考えていたと言われています。
オスマン帝国外伝の中でも、処刑を見てしまって嘔吐したりするセリム皇子は皇帝としてはふさわしくないように見受けられます。
なんでもできるバヤジット皇子とセリム皇子は、何かにつけて比べられてしまう。なのでセリム皇子は何かにつけてバヤジット皇子に意地悪をする。当然二人の仲は険悪に・・・。ヒュッレムも二人のけんかには手を焼いていて不安に感じていたようです。それでも、メフメト皇子がいた頃は後継はメフメト皇子だと誰もが思っていたのでよかったのですが、メフメト皇子が亡くなるとセリム皇子派とバヤジット皇子派のつばぜり合いが激しくなっていきます。
セリム皇子はのちに即位してセリム2世になるのですが、「酔っぱらい」皇帝などという嬉しくないあだ名をつけられています。
シーズン4ではなぜ酒に溺れたのかを示唆する場面がありますが、それは史実かどうかはわかりません。ドラマの通りなら、セリム2世の兄弟への後ろめたさが酒量を増やしたのではないかと感じました。
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セリム皇子役はEngin Öztürk
セリム皇子役のEngin Öztürkは1986年9月28日生まれ。
Engin Öztürkの父方の家族はトルコ系ブルガリア人移民です。オスマン帝国下でブルガリアに移民したトルコ人の子孫で、オスマン帝国からブルガリアが独立した後トルコに移民してきたのだそうです。
彼の父が軍人であったためか、彼自身も空軍に入りたかったようで国防大学校の空軍訓練校を卒業。しかし自分は軍人に向いていないと感じて悩んでいる時に演劇に出会い、大学に入り直して俳優の道を目指すことになったのです。
↓は初めて出演した「Fatmagül'ün Suçu Ne?」というドラマの予告編 「Kösem」で主人公キョセムを演じていた Beren Saatが主演のドラマ。
Engin Öztürkの最新作は「yüzleşme(対決)」↓
セリム皇子は処刑を見て気分が悪くなるという失態により、一旦は後継者争いから外されそうになっていた訳ですが、Engin Öztürkは空軍学校出身の軍人だったのですね。ただ、適性がないと悩んでいたあたりもしかしたらセリム皇子に通じるものがあったのかもしれませんね。(実体験だったりして)
※ 先日Engin ÖztürkはトルコのサッカーチームEskişehirsporの運営に加わったというニュースがありました。子供のころからEskişehirsporのファンであったというEngin Öztürkは、以前からサポーターが敵地に移動するためのバスを用意したりと、ことあるごとにチームのサポートをしていましたが、直接チーム運営にもかかわるようになるかもしれないとのことです。(2019年7/28現在)
Engin Öztürkはトルコ系ブルガリア移民。この複雑な民族系統を知るために↓
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