スレイマンがヒュッレムに贈った大粒のエメラルドの指輪の他、「トルコ至宝展」でも展示された宝物のように、オスマン帝国ではエメラルドが特に好まれていたようです。
↓スレイマンが自作してヒュッレムに贈った指輪も、大粒のエメラルドでした。赤毛のヒュッレムには緑のエメラルドがよく似合います。
スレイマンがヒュッレムに渡した指輪。結婚式でも同じ指輪が・・・しかしシーズン4ではいつの間にかデザインが若干変わっている。物語的にこの結婚式で差し変わったのかと思っていたのですが、ツイッターでそうではないと教えてもらいました。今のデザインのものはヒュッレムが行方不明になった時にスレイマンが森で拾ったようですが、あんな豪華なものが普通に落ちているのは不自然なので、ヒュッレムが拉致されるときに落としたのだと推測。じゃあ、前の指輪は?宝石のシェイプが同じように見えるので、権力の象徴として装飾を増やしたのかも?
↓ちなみにヒュッレムの指輪は、この後のオスマン帝国シリーズでも「後宮の主」の証として代々の妃に引き継がれている
エメラルドは「愛と献身の証」
クレオパトラも愛したというエメラルドは、癒しのパワーを持っているといい、愛する人にそれを贈ることは「愛と献身の証」になると考えられていたようです。
それを踏まえているのかどうかわかりませんが、もしそうだとしたらスレイマンがヒュッレムにエメラルドの指輪を贈ったことに意味があったのかもしれません。
緑は「聖なる色」
緑色のエメラルドは、お守りとして使われることも多かったようで、ペルシャでは旅行者がエメラルドのかけらをつなげたものをお守りとして腕に巻いていたそうです。
イスラム教では緑は聖なる色であるといわれています。なのでサウジやパキスタンなど、イスラム教の国では国旗に緑を使っている国が結構多いのです。(キリスト教世界では緑はあまり好まれていなかったという話もありますが、エメラルドは別だったようで、王侯貴族もその輝きに魅了されていました)
聖なる色を持つ、霊験あらたかなエメラルドをオスマン帝国の人々が愛したのは当然かもしれません。
このエメラルドの産地は?
エメラルドの現在の主な産地はコロンビアで、質も量も最高だそうです。
しかし、昔はそこまで南米が開拓されていなかったと思うので、当時の産地として考えられるのは、ロシア(シベリア)、パキスタン、ザンビアあたりでしょうか?
どれもオスマン帝国の領内ではないので、エメラルドは貴重だったでしょうね。
いかがでしたか?トプカプ宮殿には、世界最大級のエメラルドが保管されています。
オスマン帝国が所有していた巨大なエメラルド・・・当時の価値はいかほどだったのでしょうか・・・。
いずれにしても、大きなエメラルドはオスマン帝国の「富と権力の象徴」だったでしょう。