フズル・バルバロス・ハイレッディンはオスマン帝国「海軍総司令官」提督(kaptan paşası )という称号を得てセリム1世とスレイマン1世に仕えました。
彼の死後、帝国海軍を率いるのが誰になるのかは、ムスタファ皇子にとってもヒュッレムにとっても大問題となります。
マヒデブランがフズルの後任にしたいと考えているトゥルグットとはどんな人物なのでしょう?
フズル・バルバロス・ハイレッディン・パシャ
フズルが海軍提督の時に植民地アルジェリア、チュニジア、トリポリなどの統治を海軍提督が行うことが決定しました。
統治は提督による直接、または提督の直属の部下を代官にして行われていたようです。
ミフィルニーサの故郷がアルジェなのは、そこにフズルの家族がいるということなのでしょう。
そのアルジェの軍政官をしていたのがトゥルグットなのです。
トゥルグット・レイス
今回名前が挙がったトゥルグットは、戦術の巧みさで知られる海軍司令官でした。
現在のトルコ海軍には彼の名を冠したフリゲート艦があり、その戦功を讃えられています。
トゥルグットの実力を買い、いきなり12隻のガレー船の指揮官に抜擢したのがフズルです。その期待に応え、トゥルグットは「視界に入った船は必ず襲う」と言われるほどキリスト教世界で恐れられる存在になり、「伝説の海賊」の一人に数えられています。
その経歴の中で面白いのは、トゥルグットは一度敵の捕虜になり、奴隷としてガレー船の漕ぎ手になったことです。
トゥルグットはアルジェの軍政官のころ、すでに海賊として近海で大暴れしていました。その時アンドレア・ドリアの甥ジャンネッティーノ・ドリアに捕獲され、奴隷にされてしまいましたが、フズルが身代金を払いトゥルグットを救い出しました。
この経歴からトゥグルットはフズルに恩義を感じており、間違いなくフズルの路線を踏襲すると思われます。また、他の海軍司令官からも尊敬を集めていますので、マヒデブランは彼が提督になればムスタファ皇子に有利と考えているようです。
ちなみにトゥルグット(Turgut )というのはトルコ語表記です。英語表記ならドラグト(Dragut)となります。
トゥルグットが提督になるかどうかはドラマで確認してください。
トゥルグット役はYaşar Aydınlıoğlu
YasarAydınlıoğluは俳優兼声優です。
映画などの吹き替えを中心に活動していますが、多くのドラマやCMにも出演していて、ブラック・オズチビット主演のKuruluş Osmanにも、Yorgopolos役で出演していました。最新作はkiki lanet-i cinという映画で、ホラー映画のようです。
トゥルグットはオスマン海軍の英雄として名を残しています。フズルとの関係を考えると、彼が海軍提督になる可能性は高いですが、スレイマンがどのような決定を下すか、マヒデブラン達もヒュッレム達も気になるところでしょう。
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