オットマニアな主婦のブログ

オスマン帝国外伝にどハマリしたオットマニアな主婦の独り言です。(注意:ネタバレありですので、本編を観てから読んでください)

新オスマン帝国外伝で気になったこと デルヴィーシュの「慕情」は本物か?

ハンダンに「慕情」を抱き、ハンダンとその子アフメトを守るために先帝を手にかけていたデルヴィーシュ。

それを聞かされて心を動かされたハンダンの行動が結果的にデルヴィーシュとハンダンの命を縮める事となってしまいました。

しかし、私的には「果たしてデルヴィーシュは本当にハンダンのことを愛していたのか?」ということが引っかかって仕方ないんです。

 

 
 
 
 
 
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史実のデルヴィーシュ

ドラマ内では少なくとも命をかけてアフメトを守っているので、アフメトに対しては忠誠心があるように見えましたが、史実のデルヴィーシュは金に汚い「絵にかいたような佞臣」で、アフメト1世の信頼をかさに着て、ユダヤ商人らから多額の賄賂を受け取り、さらには遺族に返す予定だった前任者の遺産を勝手に没収したりとやりたい放題。

悪いうわさが多すぎたのか、アフメト1世の母后ハンダンはデルヴィーシュを信用しないよう息子に言い聞かせていたようです。しかしハンダン妃が亡くなった後、アフメトはすぐにデルヴィーシュを大宰相に任命。母の忠告は無になってしまいました。

いや、この辺りドラマとは全然違いますよね?そもそもハンダン妃はドラマのような残念な人ではなく、ちゃんとアフメト1世の摂政として治世をしていたようですからね。

ドラマであんな風に描かれて、草葉の陰で怒っているかもしれませんw

 

デルヴィーシュは史実でも処刑されているんですが、その顛末が因果応報って感じで・・・。

デルヴィーシュは自身の豪奢な邸宅の建設費をあるユダヤ商人に肩代わりさせていました。それまでもそうとう金をむしり取られていたのでしょうか、耐えかねたその商人は「デルヴィーシュは皇帝を暗殺するため自宅から宮殿まで秘密の地下通路を作っている」という噂を広め、それを知ったアフメトが本気にしてデルヴィーシュを処刑したのです。

この噂の内容は、いくらなんでも荒唐無稽な気はしますが、もともと母から「デルヴィーシュを信用するな」と言われてましたからね。

大宰相の就任期間はたったの6か月なのに悪い話がたくさん残っているので、そうとうあくどかったんでしょうね。

 

ドラマ内のデルヴィーシュ

さて、ドラマでのデルヴィーシュはというと、争乱の最中に唐突にハンダンに「先帝殺し」を告白し、しかもそれがハンダンへの「慕情」からだと告げてハンダンを動揺させました。

あの時なぜ心に秘めていた思いを告げたのか?そこに計算はなかったのか?その辺どうもよくわからない。

自分に都合の悪いものは次々に手にかけているのを見ると、とても善人には見えないものの、ハンダンとアフメトを守るためには命をもかけている。

先帝暗殺もアフメトを守るためだったという・・・いや、しかしそれはデルヴィーシュが言っているだけなので本当かどうかわからないなあ。

先帝がアフメトの兄でハリメ妃の息子マフムートを処刑したのはサフィエが仕組んだことだとしたら、サフィエとしては「おバカで御し易い」ハンダンの息子アフメトを次期皇帝にしたかったはず。ならアフメトを処刑するというのは考えられない・・・。

 

勝手に推測(ドラマでの)デルヴィーシュの本心

以下はあまりにも分かりにくいデルヴィーシュの心の中を私が勝手に推測したものですので、その辺はご了承ください。

 

しっかり者のハリメが母后になって皇太后である自分の権力を奪われるのを恐れたサフィエは、ハリメの長男を陰謀で処刑、それを見て「次の皇帝はアフメトである」と確信したデルヴィーシュは、幼いアフメトに接近してアフメトを手懐けることに成功。

しかしハリメにはもう一人の皇子ムスタファが誕生・・・。危機感を持ったデルヴィーシュは先帝メフメト3世を暗殺。これによりアフメト即位。本来ならムスタファ皇子は処刑されるところだったが、若いアフメトは幼い弟を殺すことをためらい、処刑は見送りに。

アフメトの側近として君臨しようと考えていたデルヴィーシュにとってはムスタファ皇子の存在は実に都合が悪い。自分の政敵がその気になればアフメトを排除してムスタファを立てることができてしまう。

まあ、ここまでは想像できますが、問題はこの後。

 

アフメトが天然痘にかかって生死をさまよう事態になり、暴徒が宮殿に迫る中、デルヴィーシュは(海軍提督なのに)宮殿を守るために矢面に立つことに。そしてなぜかハンダンに先帝暗殺とハンダンへの「慕情」を告白。

何でこのタイミングでこんな大事なことを告白するんだろう?本当に愛情があったらこれは墓場まで持っていくべきでは?

もしかしたら先帝暗殺がばれそうになったから「私は先帝を暗殺しましたが、それはあなたとあなたの息子のためです」ってハンダンを巻き込んで口止めしようと考えたのか?実際に先帝がアフメトを殺そうとしていたかどうかは、今となっては誰も知らない。デルヴィーシュの口から出まかせって可能性も。

告白されたハンダンは困惑。自分に「慕情」を抱く男が息子を救うために自分の夫を暗殺したなんて、外に漏れたら自分が疑われてしまう。そう思ったハンダンはパニック状態。

幸いアフメトは命を取りとめるが、ハンダンへの告白は思った以上にインパクトを与えてしまったため、ハンダンはデルヴィーシュを意識しすぎて近づけず、デルヴィーシュとしては「駒」として使いづらくなってしまった。

そんな時デルヴィーシュを懐柔しようと考えたサフィエからファーリエとの縁談を持ち掛けられる。

デルヴィーシュは当然これを了承。使えないハンダンから女帝サフィエの娘ファーリエに乗り換えて、これで自身の地位も安泰になると考えたのかも?

いくらおバカなハンダンでも、いや、おバカだからこそそんな話を聞かされては面白くない。自分を好きだと告白した男が他の女と、しかも自分と敵対する相手方と手を組むって聞いて面白いわけがない。嫌味の一つも言いたくなる。しかしデルヴィーシュはあくまでも「あなたのため」にファーリエと結婚するのだという。いや、それはない。

告白したのなら操を通せw

この時点でさすがのハンダンでもデルヴィーシュのやばさに気づいたかもしれない。

ただし、その後に起こるアフメト暗殺未遂での命がけの活躍は、計算だけではない何かが。幼いころからずっと面倒を見てきたアフメトに対しては実の子のように思っていたのかも?

正直完全な悪役ってわけじゃないところがドラマとしては中途半端な印象になっている気がしますね。

 

ドラマのデルヴィーシュは、処刑の直前までまさかアフメトが自分を処刑するなんて思ってもいなかったようにみえました。自分はアフメトの命の恩人で、父親の様にアフメトを見守ってきた・・・という自負があり、アフメトが自分を「敬愛」していると慢心していたのかもしれません。

その辺ももうちょっと掘り下げて欲しかったような気もしますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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