ヨセフ・ナシィの頼みでセリム皇子が口添えし、スレイマンが救助したグラツィア・メンデスは、ヨーロッパの王侯に融資をするほどの大富豪です。
ヨセフ・ナシィとグラツィア・メンデスはこれから大きな役割を担うことになります。
まずはこの二人がどういう人物かということを書いていきたいと思います。
ヨセフ・ナシィとグラツィア・メンデス
グラツィアの富は、夫が兄弟たちと営んでいた香辛料貿易で得た富で、夫の死後グラツィアが引き継いだものです。その富をヨーロッパの王侯に融資していたのです。
ナシィ家は表向きはキリスト教徒に改宗して「メンデス」家として生活をしていましたが、信仰を捨ててはいませんでした。このような人たちを「隠れユダヤ人」というのですが、当時のヨーロッパではかなりの数の隠れユダヤ人がいました。
信仰を守るために同族結婚も横行していて、グラツィアは母の兄、つまり叔父と結婚していて、さらにその夫の弟の子であるヨセフ・ナシィとグラツィアの娘が結婚しています。
グラツィア達は、異端審問から逃れるため、ポルトガルからアントワープに逃げましたが、この時自分たちの貿易船で「同胞」たちをポルトガルから逃しています。
アントワープに到着したグラツィアたちは、アルプスを越えてベネチアに行き、そこからオスマン帝国に逃れたのです。しかし、過酷なアルプス越えは多くの命を奪ったようです。
グラツィア自身はユダヤ人であることを隠して妹と共にベネチアに移住し、妹はグラツィアの夫の兄弟ディエゴと結婚しました。しかし、ディエゴが亡くなったため、その遺産相続をめぐって、ディエゴの共同経営者だったグラツィアと妹が争うことになり、危険を感じたグラツィアはユダヤ人に寛容なフェラーラ公国に移住しました。
その後、グラツィアはオスマン帝国に移住し、ヨセフ・ナシィもイスタンブールに移住して彼女の娘と結婚しています。
ヨセフ・ナシィはセリム皇子の側近となり、叔母のグラツィアの資金力でセリム皇子の玉座争いを助けたといわれています。ドラマでそれがどのように描かるか、楽しみです。
グラツィア・メンデス役はDolunay Soysert
Dolunay Soysertは、1973年3月25日アダナ生まれ。イスタンブール大学で古代芸術を専攻、Müjdat Gezen Art Centerで演劇も学びました。
卒業後はイスタンブール・シティ・シアターに所属して舞台に立っています。
1998年Cumhuriyetという映画でアタチュルクの妻役でスクリーンデビューしました。
その後渡米してネブラスカ大学で演劇を学んで帰国、Sultan Makamıというドラマに出演しました。
また、舞台演劇やミュージカルなどにも多数出演し、ドイツで演技のトレーナーをしていたこともあり、その実力が伺えます。
2006年俳優で脚本家のSinan Tuzcuと結婚しましたが、2016年に離婚しています。
Bir İstanbul Masalı(2003~2005)
リュステム役のオザン・ギュベンさんや、Vahide Rivetと名乗っていたころのヴァリデ・ペルキンさんも出演していたドラマ。絡んでる映像は見つけられなかった。
ヨセフ・ナシィ役はCemil Büyükdögerli
Cemil Büyükdögerliは、1989年12月24日イスタンブール生まれ。
ビルケント大学で舞台演劇を学び、2005年から本格的に仕事を始めました。
ミフリマーフ役のぺリン・カラハンが出演していた青春ドラマKavakYelleriで注目を浴びました。
しかし2015年に薬物使用の罪で検挙され10か月の刑を言い渡されましたが、執行猶予がついたため、服役は免れたようです。
いかがでしたか?ヨセフ・ナシィとグラツィア・メンデスは、今後の展開に大きな役割を演じるでしょう。
彼らがどんな影響を与えるか、楽しみです。