現在チャンネル銀河さんで放送されている「新オスマン帝国外伝 キョセム」でもサフィエの子、イスケンデルが処刑を免れて密かに宮殿から出され、自分が皇子であることを知らずに育ち、なんの因果か生まれ故郷帝都に戻ってくるという、エクストリームストーリーが展開中ですが、前回のブログに追記したように、実はこの話にはモデルがあったようです。
自称「ムラト3世の子」ヤフヤ皇子
自称と書いたのは、はっきり言って証拠らしい証拠はなく、本人の主張のみなので、オスマン帝国側はこの主張を認めなかったからです。
本人曰く、「兄弟○し」を恐れたヤフヤの母親が、幼い彼を宮殿から逃し、マケドニアの修道院にかくまわれていたとのこと。
修道院ということは、当然クリスチャンだったわけで、その時点でたとえ彼が皇子であったとしても、カリフであるオスマン帝国皇帝の相続権はないのですが、ヤフヤ(クリスチャンネームはジュリアン)は、自分はムラト3世の子であると主張し、フィレンツェやマドリッド、プラハなどを訪問し、ヨーロッパ諸侯から支持を集めようとしましたが、支持は得られなかったようです。
しかし、コサックなどのオスマン帝国を揺さぶりたい勢力が彼に加担し、騒動をおこしたのです。
なお、彼の妻はアルバニアの英雄とされる「スカンデレグ(イスケンデル・ベイ)」の子孫であるとされていますので、イスケンデルという役名はここからきているんでしょうね。
ちなみにヤフヤ皇子は悲壮な最期を遂げますが、設定とは少し違うイスケンデルがどうなるかはドラマで確認してみてください。
時々登場する「生きていた皇子」
前作でも処刑されたムスタファ皇子の偽物が登場していましたが、それ以外にもセリム1世の子(つまりスレイマン1世の兄弟)と噂されるユベイス・ベイという人物がいたのですが、彼の母親は彼を妊娠中に臣下に「払下げ」られてしまったために、皇子とは認められなかったんです。ちなみに払い下げるよう仕向けたのはハフサ妃(母后様)ですw
母后様もなかなかやるな…。
そういえば、ヒュッレムももうちょっとで大宰相の息子に嫁がされるところでしたね。
あの話も上記の話を彷彿とさせます。
スレイマン自身もユベイスが自分の兄弟であると認めていたような話もあるので、案外そういう経緯で生き残った皇子はいるのかもしれませんね。
しかし相続権があるかと言えば、さすがにそれはあり得ないでしょう。そんなのを認めたら、ただでさえ苛烈な相続争いが拡大してしまいますからね。
イスケンデル自身はどう思うかわかりませんが、ドラマ的にはこの話は非常に重要になってきます。特にサフィエがどう行動するか考えただけでも恐ろしいです…。