夏にHuluで配信を開始した「新オスマン帝国外伝 ~影の女帝キョセム」のS2が12/2から配信されることが分かりました。
オスマン帝国の「影の女帝」と化したキョセムの後半生が描かれるのですが、S1とは全く趣の違うキョセム像で、困惑する視聴者もいるのではないかと思います。
このドラマの主題はS2にある?
この「キョセム」というドラマは、前作「オスマン帝国外伝」の続編として制作され、オスマン帝国絶頂期のスレイマン1世から少しづつ斜陽していく帝国を描いたものだと言えるのですが、それでもS1では「悪の女帝」サフィエを排除し、子供たちを守るために苦悩しつつ権力闘争を続けて最後に勝利するという、痛快なストーリーでした。
しかし、キョセムの本編と言えるのはS2の方で、あれだけ「平和主義(?)」だったキョセムが、天下を取ってどう変わっていくのかが描かれます。
おりしもこのドラマが制作されていた2015年から2016年というのはトルコでは政情不安が続いていて、S1放送終了後、S2放送開始する直前に軍による「クーデター未遂事件」があり、ズルフィカール役だったMete Horozogluが、クーデターの首謀者(と当局が名指しした)と連絡を取り合っていたとして逮捕され、そのために現場にも影響が出たようです。
元々保守派には不評なベレンサートを起用したり、偉大なオスマン帝国の恥部である女人統治やオスマン2世殺害を描いているドラマなので、賛否が分かれていましたが、このクーデター未遂事件をきっかけにますます締め付けが厳しくなって行き、放送時間がゴールデンタイムから外されています。
人は権力を持つと変わってしまうのか?
S1では「人の形をした天使」だったキョセムが、S2では「影の女帝」と化してしまっています。
とはいえ、ある時までは「息子たちを心配する口うるさいオカン」のように見えるのですが、一線を越えてからは完全に「権力の亡者」の様になってしまうのです。
権力を持つと「天使」も「亡者」になってしまうのでしょうか?
S2のみどころ
一言で言うなら「匂わせ」です。西洋のドラマではあまりない、この「匂わせ」はアジア人には刺さります。
色々な「匂わせ」があるので、ぜひじっくり干渉してみてください。
ただ、ムラト4世は非常に残虐なスルタンだったので、なかなか衝撃的な場面も出てきます。その辺はご注意ください。
Hulu組待望のS2が配信されることをうれしく思っています。
改めて、Huluさん、配信ありがとうございます。