オットマニアな主婦のブログ

オスマン帝国外伝にどハマリしたオットマニアな主婦の独り言です。(注意:ネタバレありですので、本編を観てから読んでください)

Netflix ドラマ 「FATMA」

4月27日に配信されたNetflixドラマ「FATMA」は、掃除婦として働きながら行方不明の夫を探すファトマという女性が主人公のサスペンスドラマです。

 

あらすじ

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主人公ファトマは、行方知れずになった夫を探すうちに自閉症の一人息子を事故で失ってしまう。

必死に夫を探すファトマは、ひょんなことから事件を起こし、それがもとでマフィアに付きまとわれることに。その中でファトマの過去が明らかになっていく。

ファトマは夫の手掛かりを得ながら新たな事件を起こし、破滅への道をたどることになる。

 

「FATMA」を観た感想 (ネタバレ)

 

私は一回観ただけでは消化しきれず、このドラマを二回観ました。

ドラマは主人公ファトマが警察で取り調べを受ける場面から始まります。 

 

 

清掃員として働きながら行方不明の夫を探すファトマは、一見気弱そうな女性に見えます。ところが彼女は、過去のトラウマから精神的に壊れていて、徐々におかしい部分が見えてくるのです。

 幼いころ、ファトマの妹エミネはその器量から「児童婚」のターゲットにされていました。

児童婚というのは成人していない子供との結婚を指しますが、当然本人の意思など全く考慮されていません。もちろん、トルコでも現在は違法となっています。しかし農村部などでは未だに続けられているという話は時々聞こえてきます。「婚約」という形で行われているのでしょうか?それにしてもこの時のエミネはどう見ても小学生ぐらいに見えますが・・・ちょっと衝撃的です。

まだ年端もいかない子供のエミネに縁談を持ち込まれ、それを知ったファトマが「エミネを守るため」に、エミネを高いところから突き落としてしまいます。

私にはこの行為はとても「エミネを守る行為」には思えませんでした。エミネのことを「枯らしてはいけない花」だというファトマ。エミネの貞操を守るために突き落としたのでしょうか?

 

そして断片的に現れるファトマの幼いころの記憶・・・ファトマとエミネは「食肉業者の男」から逃れるために納屋に隠れました。その時のことを思い出して怯えるファトマ。この時何があったのかは想像するしかありませんが、その納屋は炎に包まれ、幼いファトマとエミネはそこから手をつないで出てきます。その手を振りほどいて走っていくエミネ・・・。「皆が知っていたのに見てみないふりをしていた」という事実。

普通に通報案件だと思うのですが、大人たちは口をつぐんだようです。自分たちの法令違反発覚を恐れて表ざたにしたくなかったのでしょう。しかし村人は事件以来ファトマを避けるようになります。

 

エミネは後に村を出ますが、ファトマは村に残り、幼馴染のゼファと結婚します。しかし、自閉症の息子オグズを産んだ辺りから夫婦仲がおかしくなったようです。

障害を抱えた子供が生まれると、夫の方が現実逃避から妻を捨てるという話は時々聞きますが、ファトマの場合、過去の事件から村人から「呪われた女」だと思われていました。もちろん、障害を持って生まれたオグズには何の罪もありませんが、制御不能なオグズを抱えて一人で生活をするファトマの苦労はいかばかりだったでしょうか?

話が進んでオグズの事故の真相が明らかになっていくのですが、ファトマの真意がどっちだったのか測りかねて、もう一度最初から見てしまいました。

ファトマは本心ではオグズを疎ましく思っていたのか・・・?それとも?

そしてエミネを突き飛ばした時も・・・。ファトマは自分を脅してきたマフィアの男や関係を迫る家主を衝動的とは言えないやり方で突き落としています。それを思えばそこにエミネへの「嫉妬」はなかったのでしょうか?

 

ファトマはああいう終らせ方しかできませんでしたが、彼女の人生を狂わせたのは、「見てみぬふりをする人々」です。「罰せられるべき」なのはそういう人たちなのではないでしょうか?

私自身も「見てみぬふりをする人」にならないように気をつけなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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