コロナ禍で外出規制が続く中、今年の「イスタンブール陥落記念式典」で、イスラム教の聖職者によるコーラン詠みあげが行われましたが、そのことがギリシャ側から非難されました。
イスタンブール征服567周年
今年は、メフメト2世がイスタンブール(コンスタンチノープル)を攻め落として567年目にあたるという。エルドアン大統領は、この祭典を国威高揚に利用しようとしているのか、大変大がかりな祭典を繰り広げました。
567年とは中途半端な印象ですが、もしかしたらコロナ自粛で鬱積した市民の気を紛らわせるために行ったのかもしれません。しかし、その一環として行われた「アヤソフィアでのコーラン詠みあげ」は、ギリシャ政府とギリシャ正教会から猛抗議を受けたようです。
ギリシャ側の言い分
征服前メフメト2世は、(コンスタンティノープルを征服した暁には)「アヤソフィアで礼拝をする」と宣言し、実際にそれを行ったといわれています。
今回の式典ではその時と同じ「第48章」が詠まれました。
ギリシャ側は、「侵略した側が、侵略して奪取したギリシャ正教会の聖地であるアヤソフィアで侵略記念行事としてこともあろうにコーランを詠みあげるとは遺憾である」というような抗議をしているようです。
まあ、確かにギリシャ側からしたらあまり気分がいい話ではないかもしれません。もともと仲が良くない隣国同士ですから「何挑発しとんねん!」って感じでしょうか。
トルコ側の声明
ギリシャからの抗議に対して、トルコ政府は「筋違い」だと一蹴。
オスマン領になってすでに500年以上経っている。その間アヤソフィアを補修管理してきたのは自分たちであるというのです。
さらに、「ヨーロッパでモスクの無い国はギリシャだけ。ギリシャは相互尊重の概念がない」と逆にギリシャを非難するという・・・。
まあ、トルコ側としてはそうなるか。
アヤソフィアが博物館になったいきさつ
オスマン帝国下では、アヤソフィアは「モスク」として使用されていました。しかし、1534年ケマル・アタチュルクによって「世俗化」され、博物館として今日に至っています。
アタチュルクは近代化のために「政教分離」を進めていて、(文字をアラビア文字からアルファベットにしたり・・・おかげで学習しやすくなりました。もしアラビア文字だったら挫折してたw)キリスト教界隈から非難されそうなアヤソフィアを世俗化することで国を守ったのだと思います。もしも「モスク」のままだったら、列強に攻撃する口実を与えていたでしょう。
エルドアン政権下で力を増す宗教勢力
最近、トルコでは風紀の取り締まりが厳しくなっているようです。ドラマや映画などの制作にもその影を落とし始めていて、今までの様に自由な雰囲気ではなくなっているように見えます。
トルコでは公共の場で「女子が髪をスカーフで隠す」必要はないのですが、最近スカーフをつける女性が増えているようです。世俗派の女性はそのことに危機感を持っているかもしれません。
↓デニス・チャクルがスカーフをつけている女性ともめて訴えられた事件
いかがでしたか?エルドアンの「オスマン帝国」アゲはドラマにも現れています。
ブラック・オズチビット演じる「完璧なオスマン1世」による「勧善懲悪」は、その表れのような気がします。
現在作成が発表されている「フズル提督(題名不詳)」では、おそらく「完璧なスレイマン1世」が登場するでしょう。そしてヒュッレムは悪役として描かれるんでしょうねw
それはそれで面白そうだけど(笑)
↓動画配信をお手持ちのテレビで