先日制作が発表されたフズル提督を主演にしたドラマ、コロナ禍で撮影スケジュールが変更されたため、俳優のスケジュールの調整ができず、当初予定していたチャガタイ・ウルソイが降板し、制作会社も変更されました。
↓以前紹介した時はチャガタイ・ウルソイが主役と発表されていた
フズル役はEngin Altan Düzyatanか?
最新情報では、監督はまだ決まっていませんが、新しい制作会社がすでに役者との交渉が始まったようです。
主役のフズルには、Diriliş: Ertuğrulで主役を務めたEngin Altan Düzyatanの名前が挙がっています。
他に出演交渉中の役者は、Cevdet Mercan、Ulaş Tuna Astepeだそうです。
オスマン帝国シリーズはトルコの国策ドラマ?
近年オスマン帝国時代を描いたドラマが次々作られているトルコ。
実は「オスマン帝国外伝」は、保守派からあまり評判がよくなかったようです。
それは「民族の英雄」スレイマン1世が、女に惑わされているところや、ワクフで国民に施しをしていたヒュッレムを「あばずれ」のように描いているというところが受けなかったらしいのです。(個人的にはそういうところが面白いと思うのに)
しかし現在放送されているKuruluş: Osmanや、その前に放送されていたDiriliş: Ertuğrulなどは、オスマン帝国創世の物語を「かっこよく」描いています。これは私見ですが、「民族の英雄」を描くことで、国粋主義の保守層の心をつかんでいるのではないかと思います。なぜなら、昨今トルコではドラマなどへの監視がきつくなり、内容が倫理的でないとして制作中止に追い込まれたドラマがあるからです。
ますます力を増すイスラム保守
メフメト2世がコンスタンチノープル征服を記念した式典がアヤソフィアで行われるなど、「オスマン時代の栄光再び」という空気が蔓延していて、イスラム回帰が鮮明になっています。そんな中、とうとうアヤソフィアが、博物館からモスクに戻されるという決定が下され、入場料は無料になりますが、これからは今までの様にすべてを見て回ることができなくなる可能性が高いです。決定が下されてからすぐにモスク化する工事が始められるということで、モスク化される前に見に行きたいと思っていた外国人にとっては何とも残念な結果に。世界遺産であるアヤソフィアがモスク化されることに、ユネスコも苦言を呈しています。
Hagia Sophia: UNESCO deeply regrets the decision of the Turkish authorities, made without prior discussion, and calls for the universal value of #WorldHeritage to be preserved.
— UNESCO (@UNESCO) 2020年7月10日
Full statement: https://t.co/WiZpjyagqF pic.twitter.com/klcMR9pmxC
モスク化に反対しているのはユネスコだけではなく、正教会と関係が深いロシアやギリシャ、そしてヨーロッパ諸国も遺憾の意を表明しています。
特にギリシャは、「奪われた自分たちの寺院」と激怒しているようです。
トルコのドラマにはまっている私ですが、国策ドラマばかりになると、面白さが半減してしまいそうな気がしてなりません。世界的にもドラマや映画への政治介入が幅を利かせているようで、今後のドラマ制作がどのようになっていくのか気になります。